研究科・専攻

 

研究科・専攻

研究科長あいさつ

人々の生活から生活へ 〜人間生活学の知の探求〜

 あらゆる学問は、人間が生きる営み、生活から始まり、生活と繋がり、生活へと回帰していきます。形式的に見れば同じことの繰り返しのように見える日常の生活においても、人々は、様々な出来事、社会的変化に遭遇し、対応する中で、日々、考え、感じ、新たな問いを発し、対応したり、改善したりしています。社会科学、人文科学、自然科学、あるいは、それらの融合領域のどのような研究も、このような人々の生活に端を発し、直接的、間接的に生活をより良くするために行われ、そこに寄与することによって意味を持つものだと思います。

 今日、社会は急速に変化しています。それを単純に「発展」や「進化」とのみ捉えられないことは、周知の通りです。人が生活の利便性や効率を追求し、限りなく欲望を満たそうとする時、そこには、必ず問題も生じてきます。科学技術の進歩や経済的発展、グローバル化等の進展は、私たちに国境を超えて豊かな生活をもたらしましたが、一方で、環境破壊による地球温暖化や大気汚染、核の脅威、富の偏在、ウイルスのパンデミックその他、多くの問題を生み出しています。そして、そのいずれもが、既存の学問領域やアプローチのみでは解決が難しいものです。

 人間生活学総合研究科は、それまでの家政学研究科と文学研究科を統合して、人々の生きる営み、生活を、様々な領域、あるいはそれらの融合領域から探求するために創られたものです。本研究科は、どのような社会になろうと、そこで暮らす人々の現実の生活に目を向け、心を傾けて、広い視野で自らの問いを主体的に探求できる人材、研究を通して人々の生活に関わる問題解決に貢献できる人材の育成を目指しています。

人間生活学総合研究科長  岩立 京子

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