理事長挨拶

 


教育、経営で高い評価
改革を進めて最良の私学目指す

 全国の4年制私立女子大学は、2019年5月までの20年間で22校減り、72校になりました。大学に入学する18歳人口の減少加速化に加え、“喪失の30年”といわれる平成時代の実質経済成長率が年実績1%、特に賃金所得が年実績0.5%のマイナスであることが大きな要因です。人口減少にいち早く直面した全国の私立女子高校は2016年までの20年間で473校から275校に減少しています。私立女子大学が慢性的不況に陥っているのは明白です。

 その中で、6,800人の女子大生を擁する東京家政大学を中核に、大学院から附属中学・高校、幼稚園・ナースリールームまで小学校を除いて7,800人が学ぶ渡辺学園は、日本私立学校振興・共済事業団の経営調査ランキングでA1~D3までの14段階のうち最上位の3段階に入る「A3」(正常)の高い評価を獲得しています。

 渡辺学園は1881年(明治14年)の建学以来「女性の自主自律」の理念を強化、発展させると共に「愛情、勤勉、聡明」を生活信条とし健全、堅実な校風を築き上げてきました。この旗の下に、優れた教員、志ある学生が結集し、一般教養に加え、健全な生活向上に欠かせない衣、食、住、健康、教育、文化などの分野でレベルの高い技能を身に付ける女子教育を一貫して推進し、11万人にのぼる「しなやかで凛と生き抜く」卒業生を社会に送り出してきました。

 堅実な経営に加えて、女性活躍時代を見通した教育方針が渡辺学園の評価を高めてきましたが、もう一つ忘れてならないのは校舎の地理的、時間的優位性です。校祖渡邉辰五郎が裁縫の指導者を育成する目的で設立した「和洋裁縫伝習所」は本郷湯島にありましたが、東京大空襲で焼失、現在の本拠地、板橋の旧加賀藩下屋敷跡地に移転しました。JR埼京線の十条駅から徒歩5分の通学に便利な校舎。2014年に再出発した狭山校舎も西武池袋線稲荷山公園駅から歩いて3分で東京都心部から1時間以内です。共に豊かな樹木に囲まれ風薫る広大なキャンパスです。

 私立女子学校の中では伝統、経営、教育内容、立地など優れた点の多い渡辺学園にとっても、本格的な18歳人口の減少期に入る2018年が始まりました。さらに安倍政権は2018年2月の閣議で、東京の一極集中を是正するため、23区の大学の定員増加を規制する法案を決定しました。すでに淘汰の時代に入っている私立大学、特に23区内120校の私立大、20の私立女子大の生存競争が激化するのは明白です。

 渡辺学園の経営は東京家政大学の収益に多くを依存する構造になっており、厳しさを増す環境の中で勝ち残るには、大学をはじめ全部門での教育、経営さらには意識面での改革を急ぐ必要があると判断します。私が理事長に就任した4年前からの学長選出方式の変更をスタートに理事会主導で行動を開始しました。その目標は、私達を取り巻く環境の悪化に負けない強靭な体質を、教職員をはじめ、教職員組合、保護者、卒業生などの学園全ステークホルダー(関係者)が一体になって構築することにあります。

 渡辺学園が私立学校の中で経営、教育両面で此程優位にあるいま、先手を打って一連の改革を着実に進展させることにより、わが国最良の私学への道を踏み固めることができます。

略歴

学歴

昭和32年 3月 甲陽学院高校卒業
昭和36年 3月 早稲田大学 第一政治経済学部卒業

職歴

昭和36年 4月 日本経済新聞社 入社
昭和46年 3月 日本経済新聞社 ニューヨーク特派員
昭和62年 3月 日本経済新聞社 米州編集総局長(在ニューヨーク)
平成 2年 3月 日本経済新聞社 取締役 大阪本社編集局長
平成 5年 3月 日本経済新聞社 常務取締役 名古屋支社代表
平成10年 3月 日本経済新聞社 専務取締役 大阪本社代表
平成13年 6月 テレビ東京 代表取締役社長
平成19年 6月 テレビ東京 代表取締役会長
平成23年 6月 テレビ東京 取締役相談役
平成26年 6月 テレビ東京 顧問
平成29年 6月 テレビ東京 特別顧問
令和元年 6月 公益財団法人 交通遺児育英会 会長
平成28年 4月 学校法人渡辺学園 理事長
日本英語交流連盟 副会長