服飾美術学科

 

社会で活躍する卒業生

繊維製品検査員

N.M.さん [平成25年3月卒業]

一般財団法人 カケンテストセンター

一つひとつの検査をおろそかにせず、迅速で正確な判断を目指しています。

私が勤務する一般財団法人カケンテストセンターは、繊維製品や服飾資材の試験・検査を中心に行う機関です。お店に流通する前の繊維製品の品質試験・検査と、繊維製品が流通した後で生じた不具合の原因を究明する試験・鑑定です。

繊維製品検査員である私の仕事は、大きく分けてふたつあります。ひとつは、調整した試料を各検査部署に依頼する仕事です。私たちにとってのお客さまである繊維会社では、アパレルメーカーなどに製品を納める際、納入先の会社の社内基準に基づいて生地の品質検査を行う必要があります。検査項目は、安全性や耐久性、品質表示の妥当性などで、私は検査項目を決定し、各検査部署が効率よく検査・分析できる状態に準備しています。

もうひとつは、検査結果の判定と報告書の作成です。各検査部署が検査・分析を終えた結果を集め、納入先の企業が求める品質基準に適合しているかどうかを判定し、それを品質検査報告書として作成しています。

仕事で常に心がけているのは、決められた納期を厳守し、正確な判定を下すことです。期限通りに検査し報告書を提出することが、お客さまへの信頼につながるからです。しかし同時に、一番大変なことでもあります。毎回均一の検査結果が出るとは限りません。検査したときの、柄の違いや、生地の部位によっても微妙に結果は異なるからです。

そのため判定を下すときは慎重を期します。検査結果から検査したときの状況を想定し、誤差の範囲と認めてよい結果なのか、再試験が必要な結果なのかを、私の責任で判断します。その見極めは非常にむずかしく、経験値が要求される面があるため、先輩に教えてもらいながら少しずつ経験を積んで覚えていきました。

経験と高い専門性が要求される仕事ですが、私にとって大きな支えとなったのが、家政大学の授業や実験で身につけた知識です。じっくりと学んだので、どのような状態で検査結果に微妙な違いが生まれるかは、想像がつきました。家政大学での学びがあったからこそ、先輩の助言もすぐに納得でき、仕事に反映させることができました。

ブランドショップスタッフ

T.Y.さん [平成28年3月卒業]

(株)ジョイックスコーポレーション

プレスの仕事に就くために、現在はブランドの魅力を伝えられるように勉強中!

私が就職した株式会社ジョイックスコーポレーションは、ポール・スミス、ヴィヴィアン・ウエストウッドなど、海外のライセンス・ブランドの商品を企画・販売する会社です。大学生になって東京に住むようになってから、さまざまな服を見てきましたが、素材や縫製の良さ、裏地やステッチの細部にわたるこだわりから、ポール・スミスが大好きになりました。特に紳士服の仕上がりの美しさが好きで、このブランドのすばらしさを多くの人に伝えたいと思って就職しました。2年目のいまは、ポール・スミスの革小物やバッグ、時計などを専門に扱う店舗で販売をしています。家政大学では学ばなかった皮革について一から学び、先輩たちに教わりながら接客しています。

接客でお客さまと会話をしていると、私自身の表現力の乏しさを痛感することがあります。お客さまの心に響くことばを的確に話せたら、お薦めした商品をもっと気に入っていただけたのではないか、もっと気持ち良くお買い物をしていただけたのではないかと反省し、上手な会話ができるよう模索しています。

先輩たちの接客を参考にしたり、お客さまの好みや求めていることをすばやく察知するために、街を歩く人の持ち物やコーディネートを観察したりしてきました。そうしたなかで最近感じるのは、販売という仕事でもっとも大切なのは、人と人との心のふれあいだということです。ただ商品の魅力を伝えるのではなく、会話のなかからお客さまの気持ちをくみ取り、ご要望を満たせる提案ができるかどうかが、販売職に求められていると思うからです。だからでしょうか、私がお薦めした商品を買われた方が、また買いに来てくださったときには、自分の感覚が間違っていなかったと思い、心が満たされた気分になります。

いまはまだ、プレスになるという夢に向かっての準備期間です。この仕事を一生懸命がんばって実績を積み、自分自身を磨いていきたいと思います。そしていつか、自分のことばで多くの人に、私の好きなブランドの魅力を伝えたいと思っています。

デザイナー

H.N.さん [平成24年3月卒業]

日鉄住金物産(株) 勤務

パタンナーの経験を、現在はデザイナーとして、お客様が満足するデザインを心がけています。

卒業後はアパレル企業に3年間、パタンナーとして勤めました。トレンドを先取りした洋服の設計図に関わる仕事はとてもやりがいがあったのですが、さまざまなデザインに接するうちに、パタンナーの経験をデザインの仕事に生かしてみたいと思うようになっていきました。

現在は日鉄住金物産の繊維事業本部に勤務しています。この部署は、アパレルメーカー向けのOEMが中心業務です。クライアントであるアパレルメーカーから委託を受け、素材開発から、商品企画、さらには生産、物流まで一貫して手がけています。そのなかで私は、レディースアパレルブランドのデザインを担当しています。

仕事は、お客さまとの打ちあわせから始まります。デザインのイメージをすり合わせ、いくつかのデザイン画を描いてサンプルを作成し提案、何度かの修正を経て了承をいただければ、量産に入ります。最も気を使うのが、お客様のイメージをカタチにする工程で、そのためには、徹底したヒアリングが重要です。打合せ時には素材や配色を一覧にし、雑誌などから切り抜いた売れ筋デザインの写真を組み込んだイメージマップを作製して臨みます。そのなかからイメージにあうものをお客さまに選んでいただき、デザインに起こしていきます。

もちろん、ご要望を反映したつもりで提案したデザインであっても、通らないこともあります。反対に、自分なりのテイストを加味したデザインを「これ、素敵ですね」と選んでいただけることもあり、そのときにはとてもうれしく思います。また、ファッション雑誌に掲載するために、モデルさんのサイズにあわせた指示書の作成を依頼されることもあります。私のデザインした洋服が多くの人の目に留まる機会でもあるので、やりがいを感じます。

デザイナーとしてはスタートしたばかりで、毎日が勉強です。それでも、洋服のどの部分に切り替えを作れば美しく着心地が良いのかを平面図から想像できるのは、パタンナーを経験した強みだと思います。この経験を生かし、着ている人が楽しく心地よく感じられる洋服を作っていくのが目標です。

小学校教論

K.K.さん [平成25年3月卒業]

東京都江戸川区立 小学校勤務

「楽しく身につく」授業のために、教材研究には時間を惜しまず徹底的に取り組んでいます。

教師になった1年目は、中学校で教えました。中学校では、小学校で学ぶ家庭科の基礎が身についていない生徒が多いことに驚かされ、小学校での学習に疑問を感じることもありました。けれども翌年、春江小学校に赴任し、実際に教えてみると、目で見て理解する子、ことばで説明したほうが理解しやすい子など、子どもによって理解の仕方に違いがあることに気づいたのです。そこで私は、どの児童も理解しやすいように、掲示物をたくさん作って見せたり、図で何度も解説したりと、ひとつの内容を教えるにも何通りかの方法を使うようにしてみました。5年生で習うミシンの糸通しでは、手順を覚えてもらうために振り付けつきの歌を自作し、全員で歌ってもらいました。子どもたちもよほど楽しかったのか、6年生になっても歌いながら糸通しをしている子もいて、挑戦して良かったと思っています。私は、家庭科で大切なのは、学んだことを日常生活に生かしていくこと」だと思います。そのためにも、教材研究には時間を惜しみません。教師の指導研修会で学んだ新しい指導方法も積極的に取り入れながら、楽しく、わかりやすい授業を目指して、納得のいくまで準備しています。がんばった成果は「今日も楽しかった」「この前の課題、家でも作ったよ」と話してくれる子どもの笑顔で、私にとっては、それがごほうびです。

今の私を支えているのは、教師1年目に校長先生からいただいた、「子どもの良いところを見つけて伸ばしてほしい」ということばです。実際、子どもとしっかり向きあい、一人ひとりの良いところをほめていると、子どもはさらに良い方向に成長していきます。そのような変化を見られるのは、教師としてうれしいことです。授業中だけの関わりで終わらせず、休み時間に一緒に遊んだりして積極的にコミュニケーションをとって信頼関係を築く努力もしています。おかげで子どもたちの小さな心の変化にも気づくようになり、授業にどう反応しているかもわかってきたように思います。

家庭科で身につけた「生きる術」は、子どもたちの将来に直接役立ちます。子どもたちの幸せを願い、楽しみながら身につく授業を、これからも探究していきたいと思っています。

縫製

Y.S.さん [平成21年3月卒業]

(株)コム デ ギャルソン

大学時代に知った「ものづくり」の楽しさ。
本当に作りたいものを作る環境で縫製という仕事をきわめていきたい。

コム デ ギャルソンの企画生産部パターングループで、レディースとメンズを合わせて3つのブランドのトワル縫製を担当しています。トワルとは、考案中のデザインをシーチング(仮縫い用生地)や実生地で試作し、平面の製図が立体でもイメージ通りの形になっているかを確認するためのものです。シーズンごとに40〜50のスタイルを発表するので、これらを2カ月半ほどでトワル縫製していきます。

ファーストトワルはパタンナーが作成し、ある程度パターンが固まった2回目以降からは、私たち縫製の出番となります。シーチングとはいえ、必ずミシンで縫って着用できるようにし、修正があれば3回、4回と組み直します。OKが出たら実際の生地でトワル縫製に取りかかり、実生地が思ったより柔らかいと、ハリ感を出すために芯を貼るなどして、ファーストトワルのイメージを忠実に再現できているかを、パタンナーとチェックしていきます。

時間をかけて作ったトワルでも、イメージと違っていれば生地をすべて取り替えてやり直します。私たちの仕事場は、「本当に作りたいものを作る」ためには時間と手間を惜しまない環境です。そこで仕事ができていることが、私の誇りでもあります。

こうして完成したトワル縫製をもとに、工場にショーでモデルが着用するサンプル品や一般向けの量産品を作ってもらいます。ときには、自分が縫ったものをモデルが着用してコレクションのランウェイに登場することもあり、そうした場面を見るのはやはり大きな喜びです。

ギャザーやタックで女性的なラインを出すレディース、ディティールが細かいメンズ、複雑なデザインのコレクション用の服など、自分の発想にないデザインの服作りにたずさわれるのも、やりがいです。

縫製の仕様は決まっていますが、それをどう縫い上げていくかの手順は私たちに任されています。早くキレイに無駄なく作業を進められるようになるのが理想ですが、仕事をすればするほど、「何でできないんだろう」と悩むことが増えていきました。しかし、それは私が精度の高い服作りに慣れてきて、縫製のわずか1ミリのズレに気づく目が養われたからだと、前向きに受けとめています。そういう意味で、悩みとは成長を実感する瞬間なのかもしれません。

ファッションアドバイザー(販売)

M.H.さん [平成26年3月卒業]

(株)ヤングファッション研究所

10代からあこがれていたブランドをお客さまに紹介できることに喜びとやりがいを感じています。

株式会社ヤングファッション研究所は、若者向けのカジュアル商品の企画から製造・販売まですべて自社で行うで、「oneway」「Bye Bye」などのオリジナルブランドを展開しています。

私は現在、福岡県福岡市にある天神コア内の「PARK by oneway」という店舗に勤務しています。この店舗は「oneway」、「Bye Bye」、「one spo」の3ブランドを扱う複合店で、当社のなかでも規模が大きく、私は「one spo」の販売を担当しています。

「one spo」は斬新なデザインが特徴のティーン向けブランドで、アイドルが衣装として着用することもあります。以前からファッション雑誌で見てあこがれていたブランドを担当できることに、とてもやりがいを感じています。

店舗での仕事の中心はファッションアドバイザーとしてお客さまに商品を販売することですが、ブランド責任者であるディレクターとブランドコンセプトや仕入れる品数などについて話しあうこともあります。仕入については、店舗での接客を通してお客さまの反応や売れ筋商品を分析したうえで、ディレクターと相談します。しかし、売れ筋商品を見極めるのはまだ私にはむずかしいので、ディレクターの判断材料にしてもらうために、お客さまの声や評判をしっかり集めることを心がけています。

店内のディスプレイやアルバイトさんの教育、売上管理なども私の仕事です。また、ショップが開設するブログの更新も担当しています。ターゲットである若者層にブランドの最新情報を発信することはとても重要なので、ひんぱんに更新するように努めています。

仕事で何よりうれしいのは、リピーターが増えることです。以前当店で服を買ってくれた女子高校生が友人を連れて来店することもあり、そんなときは、洋服だけでなく、私の接客も気に入っていただけたのかな、と親しみを感じることもあります。

もちろん、女子高校生とはいっても、当社にとっては大切なお客さまです。「友だち感覚の接客はだめ」といつも自分に言い聞かせ、つねに気を引き締めて応対しています。また、「one spo」を担当している社員スタッフとして、服装やディスプレイ、サービスも含めブランドのもつ雰囲気をトータルに演出するように気をつけています。