令和6年度(2024年度)後援会ドリームプラン奨学金 採用 |
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二人展「結んで、舞って。」の開催
家政学部 造形表現学科4年 T.M. T.M.
(所属・学年は活動当時のもの)
企画概要
二人展「結んで、舞って。」
造形表現学科4年生2名による展覧会
見て、感じて、体験して『繋がる』
〇作品展示(絵画・染色・銅版画・グラフィックデザイン・ファッション・陶芸)
〇ライブペイント
〇アートワークショップ
〇販売
会場:デザインフェスタギャラリー原宿EAST101-B
会期:2024/10/25(金)~10/29(火)
応募理由
「社会とつながる美術活動の実現」をするためにドリームプラン奨学金に応募しました。
今回の展示をするにあたっては3つの動機があります。
1つめは、「生身の人との関わりを大切にした展示をしたい。」
2つめは、「アナログの温もりを感じられる人間らしい活動をしたい。」
3つめは、「新しいアートのかたちを提示したい。」
これらのことから、デジタル社会の現代だからこそ生身の人との関わりを大切にした展示を行うために応募しました。展覧会という場で人の熱量を感じ、影響し合う心地よい空間を作りたいと考え、今回の開催に至りました。
展示会目的
人との関わりから得られるアートの可能性を知ることが今回の展覧会の大きな目的です。私たちが現代アートの先駆けとなる新たな価値を提示することで来場者に良い影響を与えます。さらに、来場者と関わる中で自分自身の客観的理解に繋げたいという想いがありました。
展示内容
(1)作品展示
絵画等の平面作品から陶芸や織物等の立体作品まで私たちが4年間で制作した作品を展示しました。
この展示で、私たちの考える新たな芸術的価値の提示を試みました。
私たちの作品には「青」という共通点があります。



(2)販売
販売することで来場者が何に対して価値を感じるのか理解することを意図とし、展示作品の販売に加え、ポストカードやステッカー等のグッズ制作も行いました。


(3)ワークショップ
絵の具を使った缶バッジ制作体験を実施しました。
子どもから大人まで楽しめ、所要時間が短く、持ち帰りやすい大きさ、さらに身に付けられるアイテムという点で缶バッジを選びました。
また、アートに苦手意識を持つ人でも楽しめるワークショップをテーマに議論を重ね、アートに親しみを感じてもらいたいという想いのもと企画しました。



(4)ライブペイント
会期中の3日間をかけて横300cm×縦80cmの大きな布にリアルタイムで絵を描きました。普段見ることのできない制作過程を見ていただくことで来場者に生で描くことの迫力を感じてもらい、その場でしか得られない感動や新鮮さを提供したいという意図がありました。
制作テーマは展示タイトルである「結んで、舞って。」です。会場に訪れた人々が私たちのアートに触れることで良い影響を受け、何かのきっかけになってほしいという意味を込めています。





広報
SNSの広報
Instagram・TikTokの展覧会特設アカウントを開設し運営を行いました。
私たちのアカウントを見てくれる方々に楽しんでいただけるような投稿をしたいと考え、展示の宣伝に加え、2人で絵しりとりをする企画や、私たちの制作風景を動画にした投稿も行いました。それを行うことで継続して投稿を見に来てもらうことや、さらに私たちの作風も共に知ってもらえる機会だと思いました。
展覧会までには約120人のフォロワーを獲得でき私たちの活動や作品について少しでも知ってもらうきっかけづくりになったと思います。
DM・ポスターを利用した広報
展覧会開催前は大学内の掲示板や壁、ホワイトボード等人の目に触れやすい場所をメインにDM・ポスターを設置しました。
また他学年、他クラスの学生にもDMを配布しました。
会期中は、ギャラリー前での呼び込みやギャラリー内の宣伝スペースを利用した広報を行いました。



成果
5日間の会期で約210名の方にご来場いただきました。来場者は幼児からご年配の方までの幅広い年齢層の方にお越しいただきました。
そして展示作品、グッズ、ワークショップを含めた売上高は約100,000円。
ご来場いただいたお客様は外国の方が多い印象でした。普段なかなか交流することのない多国籍の方々とアートを通じて対話ができることは何にも代え難いことでした。アートがあることにより言語や人種の壁が無くなるような感覚があり、その可能性の大きさを体感することができました。
また、デザインフェスタギャラリー原宿は私たちのスペース以外にも多くの展示スペースがあり、会期が重なっているアーティストの方々との交流や繋がりがあったことも新鮮な体験でした。
誰かの心に響かなかった作品であっても、別の誰かの心に強く響いている場面があり、様々なジャンル、技法を使った作品を展示していたからこそ色々な人に楽しんでいただける展覧会になったと思います。それは4年間、造形表現学科で幅広い美術表現を学べたからこそできたことだと実感しています。


まとめ
今回が私たちにとって初めての展覧会でしたが、学生である時期に開催する意味があったように感じます。ドリームプランを活用しこの経験ができたことにより、新たな目標や夢になり、自身の将来を結びつけることができました。
アートは人と人の表面的な繋がりだけではなく、お互いの感性を通して精神的な繋がりが生まれると感じました。さらに、人々の美しいと感じる感性には、直観的な美しさと、芸術学的・造形的な見方による美しさがあり、アートを伝える作家として、受け取る側がどのような印象を受けるのかを考えなければならないと感じました。
自分の生の作品を多くの人に見てもらうことの感動、そして、生の声や反応を聞けること、さらに気に入って購入していただけることなど全てが刺激となり、貴重な経験となりました。今回の経験を活かし、今後の美術活動に繋げていこうと考えています。
最後に本展覧会にご支援・ご協力いただいた全ての方々に感謝を申し上げます。