令和6年度(2024年度)後援会ドリームプラン奨学金 採用 |
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夢の大舞台に挑戦
児童学部 児童教育学科 3年 K.A.
(所属・学年は活動当時のもの)
応募の動機
入学当初から所属しているフラダンスサークルの仲間からの勧めがきっかけです。前年からソロ部門に出場することは決めていましたが、フラは私にとって学生生活を実り豊かにするものであり、まさにドリームプランに合致していると感じたため、ドリームプランに応募しました。
活動内容
2024年8月29日(木)に行われる『第13回カレッジフラコンペティション2024』のソロ部門に出場することです。本大会で入賞し、東京家政大学のフラダンスサークルを広く知っていただくとともに、小さなことから大きなことまで、夢に向かって挑戦する人の励みになることを願った企画です。
カレッジフラコンペティションとは
本競技会は大学生最高峰の大会であり、ハワイの伝統文化であるフラに真剣に取り組む、学生フラダンサーのための競技会です。メレ(※1)の理解度、フラの技術、フラならではの美しさを競い、ハワイの伝統文化としてのフラの正確な伝播を目的としています。
(※1 メレ…ハワイ語でチャント、歌、詩などの意味があり、本文ではメインとなる曲を指す。)
審査について
ハワイから招聘したクムフラ(※2)4名に審査していただきます。審査基準は以下の通りです。
1. カイ(入場曲)
2. 解釈:メレの理解とその描写ができているか
3. 表現:感情、雰囲気、顔の表情が適当か
4. 姿勢:身体と動きが適当な位置にあるか
5. ハンドジェスチャー:メレに合った適当な動きができているか
6. 足・身体:足と身体の動きがメレのテンポに合っているか
7. ホイ(退場曲)
8. 衣装の適当性
9. 装飾の適当性
10. 衣装や髪型がしっかり整えられているか
11. 全体:全体的な印象、演技、プレゼンテーションができている
(※2 クムフラ…フラを中心にハワイ文化を継承し、指導する人のことを指す。師匠、先生の意味を持つ。)
演舞した曲について
今回私は、カイ・ホイに『Aloha `Oe』、メレに『Pua Ahihi』を披露させていただきました。2曲共に、私の先生の師匠である、クムフラ「ナタリー・アイ・カマウウ」に選曲・振り付けをしていただきました。
まずはメレについてです。曲名にある「Pua」とは、ハワイ語で「花」という意味があります。「Ahihi」とは「レフア・アーヒヒ」という花のことで、オアフ島のヌウアヌに生息し、赤い花を咲かせます。この曲は、愛する人を赤く美しい「レフア・アーヒヒ」の花に例えた曲です。
カイ(入場曲)・ホイ(退場曲)について、この曲名にはハワイ語で「我が愛をあなたに」もしくは「さようなら」という意味があります。ハワイ王国第8代女王「リリウオカラニ」によって作られた曲で、この曲もまた、愛する人をレフアの花に例えた曲です。このようにカイ・ホイとメレは、関連のある曲を選びます。






衣装について
演舞時の衣装と装飾品は、曲に関するものでなければなりません。まずはドレスについて、今回のメレでは男女の「愛情」を歌っており、愛情といえば「赤色」です。右腕のワンショルダーは女性の気品を表し、袖のない左腕は力強い男性を表しています。また、演舞中にドレスのスカートを持ちながら回る振り付けがあるのですが、そのためにスカートの布の量を多くしていただき、より綺麗に見えるような工夫をしています。
次にレイ(首)・ココ(頭)・クぺエ(手首)の生花についてです。今回はどちらの曲も「レフア」について歌われている為、本来であればレフアの花をつけるべきでした。しかしレフアは、ハワイでしか咲かない貴重な花であること、咲いたとしても時期が違うことから、赤いスプレーカーネーションで代用しました。また、これらの花は生花でなければなりません。ハワイの人は生花を用いて身を清め、力を授かるなどといった考えを大切にしており、造花を使用してしまうと減点となります。
ドレスは私の身体に合ったものを縫い子さんに作っていただき、お花の先生には、生花を取り寄せ、そして丁寧に編んでいただきました。そしてドレス・生花共に、いつもご指導してくださっている先生に全てデザインしていただきました。沢山のぬくもりや愛情を感じられる衣装で踊ることができ、とても幸せでした。


感想
私は大学1年生の時に、「フラダンスサークルPua Lani」へ入部したことがきっかけでフラを始めました。フラを始めて3年目の私が、ソロで踊りたいと思ったきっかけは、昨年度に団体で出場した「第12回カレッジフラコンペティション」です。フラについて右も左もわからない状態で積極的に行動できず、本番では自分のベストパフォーマンスができなかった為、心の底から悔しい思いをしました。しかし悔しい気持ちと同時に「もっと頑張って上手に踊れるようになりたい」と強く思うようになりました。来年度も団体として出場することは決めていましたが、他大学の方が一人で堂々と踊っている姿を見て、ソロ部門への興味を持ち始めました。しかしソロで出場する方々の多くは、幼い頃からフラを学んでいて、多くの経験を積んでいます。また、東京家政大学からソロ部門に出場したことが無いこと、私自身のフラの経験が浅いことなど、不安な点がたくさんありました。しかし4年間しかない大学生活をより豊かにしたいと思い、後悔しない選択をしたいと思いました。またここで私がソロ部門へ挑戦することは、今後のサークルの発展へつなげることができるとともに、何かに挑戦しようとする人を勇気づけられるのではないかと思いました。これらの理由から、私はソロ部門への出場を決意しました。
出場するにあたり、まずは先生へ相談しました。初めての挑戦でしたが、先生は私を信じて、出場を受け入れてくださりました。出場が決定してからは、それまで以上に1回1回の練習を大切にするようになりました。踊りながらアドリブで方向転換をしたり、ステージを広く使えるように動かなければならなかったり、身体をいつも以上に大きく使って踊ったり、表情を豊かにしたりなど……すぐにできるようにはなりませんでしたが、一つずつ確実に身に付けていくことを意識しました。ソロの練習は先生から直接一対一で指導していただくため、自分の弱いところや直すべき癖、身体の使い方などを細かく教えていただく機会が沢山ありました。それらを自分の踊りへつなげるだけでなく、団体の練習で共有することも多くあり、ソロのレッスンを、しっかりと団体へつなげていきました。
私はソロ部門へ出場するにあたり、先生の主宰する教室に通い始めました。お互いに高め合いながら練習をする団体に比べて、ソロはとても孤独ですが、教室で一緒にフラを学ぶ仲間や団体で一緒に出場するメンバーに協力してもらいました。自分の踊りをみんなに見てもらいアドバイスをいただくなど、人前で踊ることに少しずつ慣れていきました。舞台では一人で踊りましたが、その後ろには沢山の方々の支えがあったので、とても心強かったです。本番6分間の演技がすべて納得のいくものではありませんでしたが、今の自分にとって最大のパフォーマンスができました。演技が終わってからは、本当に沢山の方々からお褒めの言葉をいただくことがき、とても嬉しかったです。
結果としては、私が目標としていた賞をいただくことはできませんでした。沢山の方々から高い評価をいただけていたからこそ、悔しい気持ちが残ってしまいました。しかし他のソロの方々の演技を見ていると、やはり心を動かされるものがあり、この大会に向けて洗練されたフラを感じることができ、レベルの高い戦いだということを改めて実感しました。フラはスポーツとは違い、点数が目に見えてわからない為、誰が見てもわかるような結果にはなりません。だからこそ、観客の皆様、そして審査してくださっているクムの方々の心に伝わるようなフラを踊れるようにすることが、今後の目標です。とても興味深く、楽しい大会でした。
今回のドリームプラン「夢の大舞台に挑戦」では、本当に言葉では表せないほど、貴重な経験をさせていただくことができました。この経験は今後の人生に、大切に生かしていくとともに、挑戦することの楽しさを色々な人に伝えていきたいです。大学生でフラに打ち込める期間は残り1年半となってしまいましたが、4年生で引退する最後の最後まで、心残りの無いよう、全力で頑張ります。
最後になりますが、ドリームプランを実行するにあたり支えてくださった全ての方々へ、そしてドリームプラン奨学金をご支援いただいた東京家政大学後援会の皆様へ、心より感謝申し上げます。