敷地・建物・設備における取り組み

 

敷地・建物・設備における取り組み

学校の場合、エネルギー用途のほとんどは空調と照明で、この分野が省エネルギーの主な対象になります。しかし、エネルギーを削減しても学ぶ場としての機能は維持する必要があります。 省エネルギー以外にも、騒音や振動、資源の有効活用、安全などにも考慮し、環境への配慮と良好な学習環境の両立をめざしています。

緑の多いキャンパス

板橋キャンパスは都心にありながら、右の写真のように深い緑に包まれています。広いキャンパスには、ケヤキ、ポプラ、ヒノキ、クヌギ、サクラなど約2,000本もの樹木が茂り、野草も150種類を確認しています。都会ではめずらしいホタルブクロ、ワレモコウなども自生しています。 緑はCO2の吸収源として役立つほか、蒸散作用や日射の遮へい・反射作用によりヒートアイランド現象を抑制する効果があります。また、騒音やビル風の防止にも役立っています。

「キャンパスの散策」(PDF形式)

また、キャンパスの緑は人間のためだけでなく、ビオトープ(右欄参照)として多くの生物の生息環境にもなっており、野鳥も25種類観察され、シジュウカラやヒヨドリのさえずりが聞こえてきます。

また、ビオトープは学校教育の教材としても活用しています。くわしくは後述の「家政ビオトープ」のページをご覧下さい。

[ビオトープ]
ビオトープ(biotope)は、ドイツ語で「生物の生息環境」を指す用語です。
日本の学校教育の場においては、「自然環境を模して作った水辺の空間」を指す場合が多いのですが、本学では池も含め、キャンパス全体がビオトープであると考え、生息環境の維持を考えています。

環境に配慮した校舎

120周年記念館では、外壁に縦のリブ(帯状の突起、右写真)を設け、窓面に対する日射を軽減し、中央部の吹き抜け「エコボイド」と屋上の「整流パネル」により風の誘因効果を高め、自然通風と自然採光を効果的に確保しています。
また、最近の竣工した校舎は様々な環境に配慮するための対策を施しています。下記の写真のアイコンをクリックするとPDFファイルが開きますので、ぜひご覧になって下さい。

大学16号館

大学17号館

断熱・機密性の強化

歴史の長い本学では、古い建物もいくつか残っており、内外装の改修や耐震補強工事を順次進めています。
その際に老朽化した窓サッシを交換したり(右上・右下写真)、内側にもう一枚サッシを追加して二重サッシに変更(下写真)したりする工事を、あわせて実施しています。また、新しい校舎では複層ガラスを採用しています(17号館のPDFファイルをご参照下さい。

これらの改修工事により、外部からの熱や騒音の侵入を遮断し、教室の学習環境の向上と省エネルギーの両立を図っています。


二重サッシ化した窓
(錠が2つ見えます)


老朽化した窓サッシの交換

太陽電池パネル

2010年は、5号館、附属E校舎の屋上に、合計15kWの太陽電池パネルを設置しました。また、附属E校舎の玄関付近に発電量を表示するパネルを設置しました。

来年度も太陽電池パネルを増設し、少しずつ自然エネルギーを増やしていく予定です。


5号館(手前)と 附属E校舎

日射の制御

照明のかわりに自然光を利用すれば照明の電力は削減できますが、過剰な日射の取り入れは、まぶしすぎて学習の妨げになり、空調のエネルギー増加を招くため、日射の適切な制御が重要になります。
本学では2010年に、5号館、85周年記念館、附属E校舎などに日射調整フィルムを貼付し、外部からの熱の遮断と適度な外部光の取り入れにより、省エネルギーを行っています。
17号館では日除けルーバーにより日射の遮蔽を行っています(17号館のPDFファイルをご参照下さい)。
また、15号館など他の棟についても、バルコニーの形状の工夫などにより日射量の調節を行っています。


15号館

照明器具の高効率化

照明は講義や実習を行う上で欠かせないため、照度を減らすことはできません。本学では通常タイプの蛍光灯を高効率のHfインバータ蛍光灯に順次取り替え、照度を下げずに電力を削減しています。
また、センサー付きライトを採用する、白熱灯を電球形蛍光灯に変える、不要な個所の照明を間引きする、不要時の消灯を徹底するなどの対策により、省エネルギーとCO2排出量の削減を行っています。


Hfインバータ蛍光灯

重油ボイラの廃止・GHPの最新機種への更新

重油は電気や都市ガスに比べ、同じエネルギーを得るために多くのCO2を排出します。本学では2010年に重油ボイラ(右上写真)の撤去が終了しました。
また本学ではGHP(ガスヒートポンプエアコン)を多用していますが、耐用年数に近い機器から順に最新型の高効率機器へ、更新を計画的に進めています。


氷蓄熱

85周年記念館、120周年記念館では「氷蓄熱」による冷房を行っています。「氷蓄熱」は安価な深夜電力で氷を作り、日中の冷房に使用するシステムです。
深夜電力を利用することは、1)深夜時間帯はCO2排出量が少ない発電源の比率が高い、2)外気温が低いので氷を効率よく作ることができる、など環境面でのメリットもあります。

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