2014年 特別企画展展示風景

 

2014年 特別企画展「はたらく服-記号性と機能性」展示風景

会場の様子をご紹介します。

「記号性」と「機能性」

展示室の入口では、《印半纏》を羽織った男性と、《割烹着》姿の女性がお出迎え。名前や紋が染め抜かれた印半纏は、職業や所属を表すまさに「記号」そのものといえます。割烹着は、おもに家事をするときに着物の上に着るもので、「機能性」を求めた「はたらく服」です。

はたらく服の「 裁縫雛形 ( さいほうひながた )

裁縫雛形とは、明治から昭和の戦前にかけて本学の教育課程の中で製作された衣服や生活用品のミニチュアです。裁縫雛形には、日常着のほか、弁護士礼服・看護服・手術衣等の職業服や、モンペ・股引等の仕事着が含まれています。今回は、この裁縫雛形を手がかりにして、明治から昭和初期にかけての「はたらく服」について見ていきます。

「文官大礼服」「燕尾服」「フロックコート」

文官大礼服とは、文官(軍事以外の行政事務を取り扱う官吏)が宮中儀礼等で着用する正装です。明治5年に洋式の文官大礼服が制定されました。同時に、燕尾服が小礼服(通常礼服)に、明治10年にはフロックコートが略礼服となります。日本の洋装化は男性の正装から進むことになり、洋服が立身出世に不可欠なものになりました。

看護服

明治の洋装化が男性や子どもを中心とし、女性に浸透しなかった中で、看護服にはいち早く洋服が取り入れられました。写真左端は大正~昭和前期頃の看護服(日本赤十字看護大学史料室 蔵)。写真右端は、平成26年度に開設された本学看護学部看護学科で使用される実習着。

さまざまな仕事着

近年まで、日本人の大多数は農業、林業、漁業等を生業としてきました。労働の際に着用する衣服には、身体の動きを妨げない活動性が必要とされます。着物が、上下一続きの一部式であるのに対し、仕事着は、上衣と下衣から成る二部式を基本とします。

作業用覆面

農作業や山仕事の際、おもに女性がかぶる「作業用覆面」。日焼けや虫刺され、とがった草木等から身を守り、汗止め等の効用があります。今回の企画展では、この覆面を着装できるイベントを開催します。ぜひ体験してください! イベント詳細

おみくじも登場!その名も 「はたらくふくみくじ」。今日の運勢をはたらく服で占ってみよう!