2005年 特別企画展

 

2005年 特別企画展「台湾先住民族の衣装-研究者 住田イサミの追い求めたもの」

展示趣旨

かつて美麗島(びれいとう)と賞賛された太平洋に浮かぶ島、台湾には先住民族と呼ばれる人々が今でも暮らしています。

中でも山地や東部の平地、離島の蘭嶼(らんしょ)にすむ人々は、外部との接触を制限されたこともあり かたちを少しずつ変えながらも独自の文化を守ってきました。

しかし、日本の統治時代になると、その生活様式は急速に近代化し、その族独特の衣装を着る機会も徐々に失われていきます。そのため現在では、儀式などの特別な場を除いて、ほとんど見られなくなりました。

台湾先住民族の衣装は女性が糸を(つむ)ぎ、布を織り、時には刺繍をして美しく仕立てられます。その伝統的な技と美は母から子へ、子から孫へと受け継がれてきました。しかし、民族衣装を着ることが少なくなるにつれその技も若い世代へ伝えられることがなくなり、姿を消しつつあります。

今回は、これらの民族衣装の美しさに早くから着目され、生涯の研究テーマとされた住田イサミ先生(当館前館長、本学元助教授)ご自身が、入山や調査の困難な地域であるにもかかわらず、現地で収集されたパイワン・ルカイ、タイヤル、ヤミ、アミ族の特徴ある衣装を中心に取り上げます。

台湾の気候・風土と先住民族の文化が育んだ、族ごとに異なる衣装の手織物や刺繍を、そこに表わされた意味にも注目してご覧ください。

おもな展示品

パイワン・ルカイ,タイヤル,ヤミ,アミ族の民族衣装と生活用具

台湾先住民族(パイワン族)
台湾先住民族(タイヤル族)