保育科

 

特色・ポイント

保育科では、子どもの豊かな感受性と想像力を育むために必要とされる理論と実践を学びます。幼稚園教諭免許(2種)と保育士資格の取得に必要な講義・実技・実習科目の他、保育の専門性をさらに高めていくための「保育実践演習A~J」や「保育総合表現」といった特徴ある科目や、「ジェンダー論」「キャリアデザイン」などの深い教養や感性を育むための科目が用意されています。

主な授業紹介

音楽表現

歌ったり楽器を鳴らしたりしながら楽しく実践力を身につけます

音楽表現には、歌唱表現や器楽表現などが含まれます。その中の歌唱表現では、わらべうた、手あそび、子どもの歌などを子どもの発達に合わせて選び、指導できる力を身につけます。器楽表現では、楽器で効果音などを表現して遊ぶ方法を考えたり、年齢に合わせたリズム合奏を子どもに無理なく指導できる力を身につけます。

保育者論

保育職の意義や職業的特徴を理解し説明できることを目指します

保育実践について現場の情報を得て、「私なら」と具体的に自己の保育者像を重ね、資質の向上を目指します。その中で、幼児理解の意味や方法を知り、自分自身の保育に対する姿勢 を追求し、考えを深めていきます。また、関係する法規や制度などについて学びます。

児童文化

子どもの文化を知り子どもへの理解を深めます

「児童文化」とは、子どもの人格と生活が大人とは異なる独自性を持つという認識から生まれた概念です。本講義では、子どもの成長発達に関わる生活全般を視野に入れ、「子どもがつくる文化」「子どものための文化」について視聴覚教材を用いながら学びます。

保育内容の理解と方法 (体育)

体を動かす遊びの意義を実体験で感じ取ります

保育現場で展開されているさまざまな遊びのうち、体を動かす遊びを実際に体験する授業です。子どもにとっての楽しさ、育ちの面から見た意義などを感じ取るとともに、遊具や用具、教材の活用に必要な知識や技術についても学びます。

社会福祉

幸せな暮らしのためのシステムについて学びます

社会福祉は、人々の幸せな暮らしを支援する社会的なシステムのことです。この授業では現代社会の基盤となる経済システムと貧困のメカニズムを理解し、社会福祉の制度・法体系、社会福祉サービスの実施体制、子どもから高齢者までの人の一生をめぐる社会問題などについて学んでいきます。

時間割モデル

○は前期 ●は後期 ★は通年 ◇は1期 ◆は2期 □は3期 ■は4期

※科目は現在とは一部ことなります。

1年次

1   ○キャリアデザイン ○教育実習(幼)の研究
●保育心理学
●保育相談支援 ○保育内容演習(表現) ○子どもの保健Ⅰ
●保育実習指導Ⅰ
2 ○パソコン基礎
●子どもの保健Ⅰ
●子どもの栄養 ○社会福祉
●障がい児保育演習
○社会的養護概論
●子どもの保健Ⅱ
◇保育内容演習(環境)
◆保育内容の研究(環境)
●相談援助
○児童家庭福祉
●キャリアデザイン
3 ○教育概論Ⅰ
●保育課程
○音楽 ○総合演習
●保育内容総論
○ジェンダー論
□体育
○乳児保育演習
□子どものことばと文化
○保育原理
●保育実習Ⅰ
4 ◇保育内容演習(健康)
◆保育内容の研究(健康)
●教育実習(幼)
○造形
●家庭支援論
○日本国憲法   ●幼児音楽A ○英語コミュニケー ションⅠ
●英語コミュニケーションⅡ
5 ○学校教育心理学
■体育と健康
○からだとスポーツ        

2年次

1 ○保育内容の研究(表現Ⅰ) ○音楽の世界 ◇保育内容演習(人間関係)
◆保育内容の研究(人間関係)
●保育実践演習F
○教育実習(幼)   ○保育実習指導Ⅱ
2 ○幼児音楽B
●保育内容の研究(表現Ⅰ)
    ★保育実習Ⅱ ○教職基礎論 ○幼児理解と援助
●保育実習指導Ⅱ
3 ○保育内容の研究(表現Ⅱ)
●社会的養護内容演習
  ●保育総合表 ○保育実習Ⅰ ○児童文化 ●教職実践演習(幼)
4   ○保育方法論 ●保育総合表現      
5   ◇保育内容演習(ことば)
◆保育内容の研究(ことば)
       

体育

[この授業がおもしろい!]

子どもの目線や気持ちになって体を動かしたり、新聞やフラフープ、縄やパラバルーンを使った運動など、保育現場で使えるような学びも多くあり、楽しみながら感じたり学んだりすることのできる授業でした。また、この授業では前屈の試験があります。長座体前屈がクラスで最下位の私が、試験の頃には手のひらが床に着くまでになり、継続することの大切さを学んだ授業でもありました。

短大 保育科卒業 S.N.さん

スケジュール

各実習内容

保育実習 Ⅰ

保育実習Ⅰは、保育士資格を取得するために必要な実習で、保育所と保育所以外の児童福祉施設の2カ所で行われる。保育士になるために、講義や演習で児童や福祉についての基礎的な知識や理論、保育技術などを学ぶが、保育実習は、それらの知識や技術を、実際の保育実践の場で、児童や職員とともに生活しながら身につける科目である。保育所では、0歳から6歳までの乳幼児が生活をしているが、その発達や興味・関心の方向を一緒に遊びながら探る。また、保育所以外の児童福祉施設の実習では、さまざまな環境や境遇に置かれている児童と寝起きをともにしながら、子どもを取り巻く家庭や社会の問題を考えたり、保育士としての役割を学ぶ。実習は、子どもたちと触れ合うなかで、現実の社会や福祉の問題、自分自身の生き方などを考えるよい機会なのである。

保育実習 Ⅱ

保育実習Ⅱは、保育実習Ⅰにおける保育所での実習をふまえておこなう保育所の実習である。実習期間は、2週間である。実習は保育者の指導のもとにおこなわれるが、実習生自身のより主体的な取り組みが要求され、保育所保育士を志望する者が選択するのが望ましい。保育実習Ⅰの経験を生かしての、乳幼児へのより深まった理解や保育技術の習得をめざしている。実習の内容は、指導計画を立案しての部分実習や責任実習を中心としている。

保育実習 Ⅲ

保育実習Ⅲは、保育実習Ⅰにおける保育所以外の児童福祉施設の実習をふまえて行う、宿泊をともなった収容施設での実習で、期間は10日間である。実習は保育者の指導のもとにおこなわれるが、実習生自身のより主体的な取り組みが要求され、施設保育士を志望する者が選択するのが望ましい。保育実習Ⅰでの経験を生かして、対象児童の理解や施設の機能、専門職としての保育士の役割など、より深まった体験的理解をめざしている。また実習の内容は、指導実習を中心として行い、より体系的で積極的なものとなる。

教育実習(幼)の研究

幼稚園における教育実習を実り多いものにするための、事前準備の授業である。まず、幼稚園の1日を知り、実習生としての関わり方や、指導方法について考え、子ども理解、教育内容、記録の取り方、指導計画の立て方について具体的にイメージしていく。授業を通して、幼稚園の教育や教育実習の意義について学び、さらに各自の教育実習における課題の明確化を図る。

教育実習(幼)A・B

幼稚園における教育実習は、都内と近県の本学指定の私立及び公立幼稚園で、3年次10月と4年次の6月に2週間ずつ行う。実習は、①幼児の生活の場である幼稚園の活動に参加し、幼児理解を深めることで幼稚園の教育的役割について実践的に理解すること。②保育者の保育実践の姿から保育方法や保育技術の教育的意味を把握すること。③保育計画を立案し、実践する経験を通して保育を支える教育的意図の重要性について理解すること。④保育者からの具体的な指導を受け、自分の保育について省察しながら自らの成長を図ることを目的としている。授業では、実習に向けた具体的な諸手続きを通して、実習に対する主体的関与を促し、各自の実習体験を文字化するための観点や省察の方法について具体的に学習する。実習終了後は、お互いの実習体験を共有化し、より広い視点から幼稚園における教育について考え実践する力を育成するため実習報告会を行う。

私の実習体験談

保育実習・教育実習

S. N. 短大 保育科(卒業)[幼稚園教諭]

実習を経験し、保育者になりたいという思いが強くなりました

幼稚園、保育園、障がい者支援施設で計55日間の実習を経験しました。どの実習でも共通して感じたのは、子どもや利用者さんの「思い」に気づくことの大切さです。言葉が未発達の子どもと接するときは、保育者は表情やしぐさに表れる思いを受けとめなければなりません。障がい者の方に対しても同じで、言葉にできない裏側にある思いをくみ取ることの大切さを学びました。実習中は大変なこともたくさんありましたが、得るものは多く、保育者になりたいという思いは実習のたびに強くなりました。

保育実習・教育実習

大森 陽子 短大 保育科(卒業)[茨城県立水戸第三高校出身/幼稚園教諭]

実習体験を生かしながら、子どもたちと笑顔で向きあっていきたい

保育所実習(12日間×1回)と幼稚園実習(2週間×2回)、施設実習(11日間×1回)を体験しました。とても貴重な経験ばかりで、私にとってかけがえのない日々を過ごすことができました。とくに、保育現場で先生方がどのように子どもたちとコミュニケーションを取っているのか、どのようなことに配慮して活動しているのかなどを実際に見て、感じて、勉強することができました。これからも、保育に対する情熱や向上心を忘れずに、子どもたちと笑顔で向きあっていこうと考えています。

保育実習・教育実習

S. Y. 短大 保育科(卒業)[幼稚園教諭]

私の表情、言葉が子どもたちに影響を与えることを知りました

私は保育園実習を2回(各12日間)、児童養護施設実習を1回(11日間)、幼稚園実習を2回(各10日間)経験しました。授業で学んでいたことでも、実践になると子ども相手ですからテキスト通りにはいきません。とくに責任実習(1日担任)では、私の表情や動き、言葉などひとつひとつの行動が子どもたちに大きな影響を与えることを知りました。実際の現場で働いている保育者の姿を見て、自分の描く保育者像がはっきりと見えてきました。