リハビリテーション学科の教員らの研究論文が,国際誌に掲載されました


















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リハビリテーションで患者さんのやる気を高めるために医療従事者はどのような方法を実践しているのか?

<概要>
浜松医科大学の田中悟志 准教授,信州大学の小宅一彰 助教,東京家政大学の鈴木誠 教授,藤田医科大学医学部の大高洋平 教授の研究グループは、脳卒中リハビリテーションに従事する医療従事者を対象にアンケートによる実態調査を行い、患者さんのやる気を高めるために臨床現場で実践されている様々なアプローチを明示化したリストを作成しました。この研究成果は、患者さんのやる気を高める際に活用できるものです。本研究は、国際学術誌「Frontiers in Neurology」に日本時間2020年6月10日に公表されました。

<研究の背景>
リハビリテーションの臨床現場では、患者さんのやる気を高めるために様々な方略が用いられています。しかし、その方略は個々の医療従事者の経験に大きく依存した、いわば「職人技」的なものであり、体系的なリストや教科書があるわけではありません。本研究では、脳卒中リハビリテーションに従事する医療従事者が実践している方略を調査し、明示的なリストを作成しました。

<研究の成果>
脳卒中リハビリテーションに従事している360名以上の医療従事者から得られたデータを分析しました。その結果、患者さんの話をしっかりと聴くこと、褒めること、リハビリテーションの目標を設定することや難易度の調整をすることなど15個の方略は、75%以上の回答者が患者さんのやる気を高めるために臨床現場で実践していると回答しました(参考図)。今回の研究成果は、医療従事者が患者さんのやる気を高める際に活用できる知見です。

<今後の展開>
今回の調査により、脳卒中リハビリテーションに従事する医療従事者が、患者さんのやる気を高めるために実施している方略が明らかになりました。今後は、より臨床経験が豊富な専門家の意見を調査し、また各方略について患者さんのやる気を高める効果が本当にあるかを検証します。

<発表雑誌>
Frontiers in Neurology 2020; 11: 553.

https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fneur.2020.00553/full

<論文タイトル>
Motivational strategies for stroke rehabilitation: a descriptive cross-sectional study

<著者>
小宅一彰、鈴木誠、大高洋平、田中悟志












   
     
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