リハビリテーション学科の教員らの研究論文が,国際誌に掲載されました

東京家政大学健康科学部リハビリテーション学科作業療法学専攻の教員らの研究論文が,国際誌(The Kitasato Medical Journal)に掲載されました.

Kazuhiko Shibata, Makoto Suzuki, Shinobu Shimizu, Takayuki Kawaguchi, Michinari Fukuda, Atsuhiko Matsunaga. Time-course changes in corticospinal excitability for reciprocal muscles during repetitive slow passive movements. The Kitasato Medical Journal 2020; 50: 52-59.

研究の概要
リハビリテーションの分野では,セラピストが対象者の身体を支えて適切な方向に誘導する練習(他動的関節運動)が広く行われています.他動的関節運動が関節の柔軟性を向上することは広く知られていたのですが,脳や脊髄の活動性に及ぼす影響については活動性が向上するという報告と向上しないという報告があり,一定の見解には至っていませんでした.また,歯磨き,整髪,洗体,清拭といった日常生活の動作では,遅い速度で関節を動かしますが,遅い速度の他動的関節運動が脳や脊髄の活動性に及ぼす影響を調べた研究はありませんでした.そこで本研究では,遅い速度の他動的関節運動に伴って脳や脊髄の活動性がどのように変化するのかを検証することにいたしました.その結果,他動的関節運動の反復に伴って脳や脊髄の活動性が徐々に低下することが分かりました.

本研究により,遅い速度の他動的関節運動の反復に伴って関節の柔軟性が向上するのみではなく,脳と脊髄の活動性が変化することが示唆されました.本研究による知見は,リハビリテーションにおける運動練習を立案する際の手掛かりになると思われます.今後もより効果的なリハビリテーションのトレーニングおよび評価の方法について検討していきたいと考えています.

リハビリテーション学科では,最新の研究知見に基づく質の高い教育を行うとともに,研究成果を社会に発信していきます.

   
     
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