リハビリテーション学科の教員らの研究論文が,国際誌に掲載されました

リハビリテーション学科作業療法学専攻の教員らの研究論文が,国際誌(Medicine)に掲載されました.

Nakayama N, Suzuki M, Hamaguchi T. Relationship between knee extension strength and gait styles in patients with dementia. Medicine (Baltimore) 2019; 98(12): e14958.

下肢の筋力は歩行と密接な関係にあるとされ,筋力測定の方法や筋力トレーニングに関する多くの報告がなされてきました.しかし,認知症を有した方々の場合には,筋力測定を行なったとしても不確かな結果しか得られないと考えられ,これまでの報告の対象からは除外されてきました.

そこで,私たちは,認知症を有した対象者56名に対して膝を伸ばす力を体重で除した値(等尺性膝伸展筋力体重比)と歩行に必要な補助具の関連性を検討しました.その結果,歩行器の使用では0.17 Nm/kg,T字杖の使用では0.43 Nm/kg,フリーハンドでは0.57 Nm/kgの筋力があれば80%の確率で歩行が自立することが分かりました.

今回の結果から,認知症を有している方々においても,筋力と歩行は密接に関係しており,また,下肢筋力から歩行が自立するために必要な補助具を予測することが可能であることが分かりました.

今後は,対象者の筋力を測定し,今回明らかになった行動に必要な筋力水準と比較することによって,対象者に合わせた作業療法計画を立案することが可能になるのではないかと思われます.

論文は下記のサイトから入手することができます.
https://journals.lww.com/md-journal/Fulltext/2019/03220/Relationship_between_knee_extension_strength_and.58.aspx#pdf-link

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鈴木誠
suzuki-mak@tokyo-kasei.ac.jp
   
     
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