英語コミュニケーション学科のゼミナールでの学びを紹介します。みなさんが「課題」を考える際に役立てていただければと思います。
1. 各ゼミナールの必読書
・太田ゼミナール
『英語の新常識』和泉伸一著 大修館書店
この本は、英語を学ぶ際に常識と思われていること、誤解を取り上げて、それを第二言語習得研究で裏付けられた「新常識」で塗り替えていくことです。
これを読むとどうやって学んだらいいのかに対して新しい視点が得られます。それが教える際にも役立ちます。
・小池ゼミナール
「子供達にプログラミングを教えよう」 ミッチェル・レズニック https://www.ted.com/talks/mitch_resnick_let_s_teach_kids_to_code/transcript?language=ja
このTED Talkでは,コーディングを学ぶことを通じて,自分が何を学び,また社会を変えるために自分で何ができるかという視点が得られます.
そして,どのように考え取り組むとよいのか,他人との共有や共同作業をすることの意味は何かという点を考えることができます.
・鈴木ゼミナール
『あいまいな会話はなぜ成立するのか』時本真吾著 岩波書店(岩波科学ライブラリー)
注)対象は5章末まで
私たちの日常会話は遠回しな表現であふれていますが、聞き手は話し手の意図を推測します。なぜ言葉で表されていない意図を推測できるのでしょうか?
この本を読むと私たちの会話の面白さ、不思議さが「なるほど!」と分かるようになります。
・関根ゼミナール
『自然を感じるこころ――ネイチャーライティング入門』野田研一著 筑摩書房
様々なネイチャーライティング(自然に関するエッセイ)の作品に触れながら、「なぜ人間にとって自然が必要なのか」を考える糸口になる一冊です。
自然環境をめぐる問題について考え、人間中心主義的な価値観を問い直すことの意義を教えてくれます。
・並木ゼミナール
『ディズニーランドという聖地』 能登路雅子著 岩波書店(岩波現代文庫)
この本は、ディズニーランドを単なるテーマパークではなく、アメリカ文化を体現する「聖地」として分析した文化研究の古典です。
なぜディズニーランドがこれほど多くの人を魅了するのか、その背景にある、アメリカ社会の価値観や理想を読み解いています。
アメリカ文化研究の視点から、ディズニーランドの空間設計や物語構造に込められた文化的メッセージが理解でき、身の回りの事象を学術的に考察する力を養うのに役立ちます。
・根本ゼミナール
『探検!ことばの世界』大津由紀夫著 ひつじ書房
本書を通して「ことば」にある精巧な仕組みを知ることができます。この仕組みを、私たちが普段無意識に駆使していることに気づくと、「言語」が人間の機能としてどのように備わっているのか、また人の心とどのように結びついているのかに、関心をもつようになるでしょう。
・塙ゼミナール
『新版 観光マーケティング入門』森下昌美編著 同友館
この本は、旅行会社、航空会社、ホテル、観光地でのケーススタディをもとにマーケティングについて説明をしてくれています。
マーケテイングは、私たちの日常生活に深く関係しており、生活をより豊かにしてくれる考え方であることがわかります。
・フーパーゼミナール
『英語教師のための自律学習者育成ガイドブック』 加藤聡子 神田外語大学出版局
本書は、自主性を支援する方法で指導する方法や、生徒や同僚にやる気を起こさせる環境を提供する方法について、有益な背景を与えてくれる。
また、本書を読むことで、自分自身の学習をより深く理解し、振り返ることができるようになり、より自立した学習者になることもできる。
・三宅ゼミナール
『World Englishes入門:グローバルな英語世界への招待』大石晴美編 昭和堂
World Englishesとは、世界各地で生まれた英語のバリエーション(さまざまな種類)を指します。英語はその地域の文化や社会に合わせて変化をしています。
アメリカ英語やイギリス英語のほか、インド英語、韓国英語、日本人英語などを通して、英語の多様性の面白さがわかる本です。
・リードゼミナール
Roger J. Davies and Osamu Ikeno (2002). The Japanese mind - understanding contemporary Japanese culture. Tuttle Publishing.
この必読書は、日本の社会と社会関係に関する最も影響力のある3つの理論を紹介します。各理論の主要な考え方を説明します。
読んだ後、生徒はそれぞれの理論のテーマについて議論し、評価し、実際の状況に応用します。
This book contains short readings about different aspects of Japanese culture, such as 'uchi/soto', 'kisetsu', 'giri', 'ryousai kenbo', and so on.
この本には、内/外、季節、義理、良妻賢母など、日本文化のさまざまな側面についての短い読み物が収録されています。
・横田ゼミナール
『5分間で言語学 ~一口サイズのことばへの誘い~』 E.Mリッカーソン・バリーヒルトン著(上田功他訳)ひつじ書房
65のことばに関する話題がそれぞれ非常に短く分かりやすく書かれています。例えば、ことばの性質、誕生・発展、広がり、社会との関係などです。
2. 皆さんが課題設定をする際に参考になるテーマ
・太田ゼミナール
・英語学習の動機づけを維持するために必要なことは何か?
・生徒主体の授業にするための英語教育における効果的なICTやAI活用
・教師の英語使用が生徒の英語使用に及ぼす影響
・これからの時代に求められる英語の授業とは
・小池ゼミナール
・よいプレゼンテーションとはどのようなもの?
・詐欺被害をふせぐには?
・エレベータを使わずに,階段をみんなが使うようにするにはどうしたらよい?
・鈴木ゼミナール
・「お母さん、のどが渇いた。」と言っただけでなぜ飲み物を用意してくれるのでしょうか?
・「はい」か「いいえ」の質問に「はい」か「いいえ」で答えないときはどんな時でしょうか?
・「会話は助け合いである」という命題は何を意味しているでしょうか?
・関根ゼミナール
・なぜ人は自然を必要とするのか
・なぜ風景にみとれるのか
・詩(文学作品)における自然の描かれ方について
・並木ゼミナール
・アメリカ映画・ドラマにおけるジェンダー表現の変遷を考える
・ディズニーのグローバル戦略と多様性への取り組みについて
・ポップカルチャーは国際関係にどのような影響を与えるか
・SNS時代におけるアメリカ文化の発信力はどう変化したか
・根本ゼミナール
・英語と日本語で類似している文法現象を考えてみましょう
・英語にはあって日本語にはない文法(又はその逆)を挙げてみましょう
・自分がどのように日本語(母語)を使えるようになったか考察してみましょう
・英語・日本語の文法を意識したとき、語順や文法事項について「なぜ」と思える項目を挙げてみましょう。
・塙ゼミナール
・外国人旅行者が日本文化や異文化交流を体験できる旅行ツアー企画
・日本人旅行者の異文化理解を促進する海外旅行ツアー企画
・インスタ映えが観光地に及ぼす良い影響と悪い影響
・あなたが海外に伝えたい日本人や日本のイメージとは
・フーパーゼミナール
・自律性をサポートする学習環境を作るためには?
・英語の授業において、学習者の自律性、能力、関係性を高めるにはどうすればいいのでしょうか?
・どのような方法で効果的に生徒のフィードバックを収集し、活用することができるか?
・新しい教育環境に移行する際、生徒はどのような葛藤に直面するのか、またそのような生徒をどのようにサポートすればよいのか?
三宅ゼミナール
・日本人らしい英語とは何か(単語、表現、文法、発音など)
・「英語は国際言語である」とはどういうことか
・英語のネイティブ・スピーカーとは誰のことか
・自分の進路(就きたい職業)で必要な英語の力とは
・リードゼミナール
・What are the advantages and disadvantages of the sempai/kohai system in Japan?
・Why does Japan have a large number of hikikomori, and how can this issue be solved?
・How did Japanese pop culture spread and gain popularity in countries outside Japan?
・What values explain the Japanese education system, and what areas do you think should be reformed?
・Does Japan's low ranking on the gender equality index mean that Japan is an unequal society for men and women?
・横田ゼミナール
・書き言葉と宗教の関係性について。
・アメリカ英語とイギリス英語の違いは何が原因か。
・英語(言語)の標準形は地域によって変わるのか。