服飾美術学科

 

カリキュラム・実習

実際の服作りの体験、繊維・布・染料・洗剤などの性質の把握のための実験、アパレル企業やコンピューターグラフィックの実践など、豊富な実験・実習・演習科目を用意しています。
また、衣生活や服飾に関わる基礎教育を充実させる一方で、本学科伝統である家庭科教員の養成、衣料管理士・学芸員などの養成にも力を注いでいます。

主要科目の紹介

デザイン・ビジネス系

色彩学

ファッション分野に必要な色彩学の基礎を身につけます

ファッションや美術・デザイン分野において、色彩は生活を豊かにするという働きがあります。色彩学を日常的な生活文化に導入、展開するためには、色彩理論の基礎を、光のメカニズム、色の表示など具体的な事象と関連付けて理解することが重要です。授業では、実践的な演習に進む前に、色彩の体系を概略的に学び、色彩の基礎を修得します。

アパレルデザイン表現実習Ⅰ・Ⅱ

ファッションデザイン表現の感性と、基礎的な描法を学びます

ファッションデザイン画を描くための感性と、基礎的な技術・描法の習得が、この授業の目的です。全身デザイン画を描くことを通して、アパレル界のニーズに対応するための感性を根本としたデザインの、具体性のある表現方法を身につけます。そして、これらの内容は、コンピュータグラフィックスに展開、連動する基礎になります。

ファッション販売論

販売員としてのマナーや応対力を身につけます

販売は決して売るだけの行為ではなく、お客様を心からおもてなしし、商品と共に喜びを持ち帰っていただく仕事です。まずは、販売員としての基本マナーを学びます。そして、理想とする販売員像をテーマにディスカッション・発表・検証をし、プロ販売員としての役割を自ら考察します。さらに実技トレーニングやロールプレイを通して、お客様の心理を知ると共に、販売員の応対、コミュニケーション能力を習得していきます。

服飾文化系

西洋服飾文化史

歴史の基礎的知識をもとに西洋服飾史の概略を学びます

服飾の歴史を知ることは、ファッションに関わる創造のための豊かな発想源であり、服を作るための基礎的教養としてファッション・デザインには欠かせません。また服飾史の研究からは、さまざまな文化や時代のなかで、ファッションや流行がどのようにして生まれて、どんな役割を果たしたのかを学ぶことができます。

授業では、古代から20世紀半ばまでの各時代や地域の文化的特徴とファッションの関係を学んでいきます。

服飾造形・服飾工芸系

和服造形Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ

身近な日本文化である和服構成の基本を学びます

和服のもつ美しさ、合理性、機能性はこれまでヨーロッパ世界に強い印象を与え、ファッションデザインに大きな影響を与えてきました。身近な日本文化、伝統の理解と日本人ならではの服作りの発想源のために、和服造形を学ぶことが必要です。

授業では、和服構成の基本であるゆかたの製作、生地に適した仕立て方や袷仕立てなどを学ぶことで、和服独自の直線を主体とする構成方法と着装方法を身につけ、衣生活への応用力を養っていきます。

アパレル設計論

人体構造から縫製、製品評価までアパレル設計の基礎を身につけます

アパレルを設計製作するには、アパレルを着衣する人体の構造から縫製、さらに製品の評価までの流れを、具体的に把握することが必要です。

この授業では、人体構造とアパレル形態、さらにデザインとパターンの関連を知り、素材の知識や縫製技法を身につけ、最後に製品の適正な評価をするためのアパレル設計の基本を学びます。

服飾造形Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ

さまざまなアイテム製作を通して洋服づくりに必要な技術と知識を学びます

個人の体型にあわせた服を製作するのに必要な洋裁技術と知識を、スカートやシャツ、パンツやジャケットなどのさまざまなアイテム製作を通して学びます。それぞれの実習を通して、①衣服設計のための材料の選択、②パターン設計の理解、③基礎的な縫製技術の習得、④着装評価の良否⑤人体と衣服との関連への理解を深めていきます。

ニードルアートⅠ・Ⅱ

刺繍やレースづくりの実習を通して手芸の基礎技法を習得し、衣生活への応用力を養います

時代や民族の習慣、気候、風土、祈りや願いなどの人々の生活と深く関わりあって技術が発展していった刺繍には、多くの種類があり、世界各国に独自の様式をもつものがあります。これらは服づくりをするうえで、デザイン性や商品価値を高める要素として欠かせないものとなっています。

この授業では、各種ステッチを取り入れた作品づくりの実習を通して、欧風刺繍の知識や基礎技法を習得し、さらに、紐や結び、レースも取り入れ、衣生活への応用力、創作力、鑑賞力等を養います。

生活科学系

染色加工学

さまざまな種類の染色の知識や方法を学びます

全ての繊維(天然および合成繊維)をオールマイティに染めることができる染料はなく、布を美しく染色するためには、繊維と染料の組み合わせを考える必要があります。そのためには、染色方法だけでなく、染料に関する知識を身につける必要があります。また、染めた染色布は、洗濯、日光、汗、摩擦などに強くなければならないため、授業では、染色堅ろう度試験法についての基礎知識も学んでいきます。

被服材料学実験Ⅰ・Ⅱ

グループごとの実験を通して被服材料の性質について理解を深め問題解決能力を身につけます

被服材料である布には、耐久性、外観の美しさ、快適性、風合いなどのさまざまな性質があり、「被服材料学」の講義で学んだこれらの性質や構造に関わる基礎知識の理解を、実際に実験を行うことによって深めていきます。

授業では、JIS に基づく各種試験方法を用いて、グループごとに、布の引張強さ、引裂強さ、剛軟性、防しわ性などの実験を行い、将来、実際に試験の実施と問題解決ができるような知識を身につけていきます。

先輩たちの時間割モデル

衣料管理士課程履修

服飾美術学科 4年 R.O.さん

教職課程履修

服飾美術学科 4年 K.A.さん